『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』クリエイターズブログ Vol.5
2025.02.15
就職活動のためにWikiを見て知ったのだけど、
私の勤めるゲーム会社の前身は tookyo games という名前だったらしい。
社名を変えるに至った経緯には、どうでもいい社史が長々と書かれていたけれど、
too(超) kyo(狂 = crazy) games
という社名が、時代的にどうなの?
そんな声が、どこからともなく飛んできたのだと、私は睨んでいる。
× × ×
給湯室で、定年前のおじいちゃん社員に聞いてみた。
「トゥーキョーゲームスの頃って、もうこの会社にいましたか?」
「そうだね、その頃にはもういたよ」
「えーっと、じゃあなんでしたっけ? ハンドレッドライン? も作ってたんですか?」
おじいちゃん社員は一瞬のフリーズの後、
黒目をブルブルと振るわせ、広めの額に脂汗を浮かせた。
「すみません、話したくない事だったら…」
「いや、いいんだよ。ただ、その名前を聞くと、どうしてもね…」
「はぁ…」
ハンドレッドラインの頃はまだ、AIによるシナリオ生成技術が発達しておらず、
全シナリオをライターが人力で書いていたらしい。
まあ、時代的にそれはそうかと思うけど、
「あのタイトル、人によってはとんでもない量を書いていたね…ある物書きが一生涯を掛けて書く量だって言われても、疑う人はいないんじゃないかな…」
「…文字数で言うと?」
おじいちゃん社員は泡を吹いて倒れた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「スクリ…プト…も…」
…何言ってんだこいつ。
× × ×
それから私は、おじいちゃん社員と給湯室で顔を合わすたびに、
カウンセリングよろしく、ハンドレッドライン時代の話を聞くようになった。
(ファーストコンタクトがショック療法として機能したのか、あれ以降、おじいちゃん社員が倒れることはなかった。)
おじいちゃん社員から新たな話を聞くたびに、時代だなーと思った。
時代だし、多分、当時でもハードコアな方だったっぽい。
っていうかゲーム制作って、そんなに色々擦り減らしてまでするもんかね。
「…よくも悪くも、狂ってますね」
「…超、ね」
文句ばっかり言う癖に、どこか誇らしげでもあるのがウザいけど、
まあ味わい深いっちゃ深いと、言えないこともないかもしれない。
私の勤めるゲーム会社の前身は tookyo games という名前だったらしい。
社名を変えるに至った経緯には、どうでもいい社史が長々と書かれていたけれど、
too(超) kyo(狂 = crazy) games
という社名が、時代的にどうなの?
そんな声が、どこからともなく飛んできたのだと、私は睨んでいる。
× × ×
給湯室で、定年前のおじいちゃん社員に聞いてみた。
「トゥーキョーゲームスの頃って、もうこの会社にいましたか?」
「そうだね、その頃にはもういたよ」
「えーっと、じゃあなんでしたっけ? ハンドレッドライン? も作ってたんですか?」
おじいちゃん社員は一瞬のフリーズの後、
黒目をブルブルと振るわせ、広めの額に脂汗を浮かせた。
「すみません、話したくない事だったら…」
「いや、いいんだよ。ただ、その名前を聞くと、どうしてもね…」
「はぁ…」
ハンドレッドラインの頃はまだ、AIによるシナリオ生成技術が発達しておらず、
全シナリオをライターが人力で書いていたらしい。
まあ、時代的にそれはそうかと思うけど、
「あのタイトル、人によってはとんでもない量を書いていたね…ある物書きが一生涯を掛けて書く量だって言われても、疑う人はいないんじゃないかな…」
「…文字数で言うと?」
おじいちゃん社員は泡を吹いて倒れた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「スクリ…プト…も…」
…何言ってんだこいつ。
× × ×
それから私は、おじいちゃん社員と給湯室で顔を合わすたびに、
カウンセリングよろしく、ハンドレッドライン時代の話を聞くようになった。
(ファーストコンタクトがショック療法として機能したのか、あれ以降、おじいちゃん社員が倒れることはなかった。)
おじいちゃん社員から新たな話を聞くたびに、時代だなーと思った。
時代だし、多分、当時でもハードコアな方だったっぽい。
っていうかゲーム制作って、そんなに色々擦り減らしてまでするもんかね。
「…よくも悪くも、狂ってますね」
「…超、ね」
文句ばっかり言う癖に、どこか誇らしげでもあるのがウザいけど、
まあ味わい深いっちゃ深いと、言えないこともないかもしれない。