『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』クリエイターズブログ Vol.6
2025.02.22
初めまして。
本作にて開発を担当したメディア・ビジョン、ディレクターの岡と申します。
本記事では、開発の裏話を交えながら本作のSRPG部分についてお話しできたらと思います。
今作はADV+SRPGというお話をいただき、「シンプルだけど奥深い」「爽快感」というテーマもありましたので、SRPGをやったことない人でも気軽に遊べるよう、なるべくライトな触り心地になるように意識しました。
例えば、倒せるかどうかが分かりやすいようにHPの桁数を減らしたり、「防御力」は無しにして与えられるダメージを直感的にしたり、基本「全員範囲攻撃」になっていますので、範囲内に敵を沢山収まるようにして攻撃するとばったばったと気持ちよく倒せるようなゲーム性にしました。
▼『澄野』の必殺技範囲 
育成や下準備の面では「キャラクターのレベルを無くす」「消耗品を無くす」など、シナリオを読み進めて行く中で、いざバトルパートに入った時に「今どういう状態だったかな?」「この子のレベル上げ足りないかな?」という事が無いよう、管理が必要な要素をシンプルにして「スキルを覚える」など、戦闘の幅が広がる様な育成に注力できるようになっています。
また、SRPGを難しくしてしまう要素として、味方が死んでしまうと、どんどんジリ貧になってしまい、「このままでは勝てない」と悟ってやり直してしまうなど味方の死に対してネガティブに考えてしまう事もあると思います。
SRPGのベースとなる将棋やチェスなどのボードゲームでは、味方を犠牲に勝利を掴むことも多々あるかと思うのですが、一般的なRPGでは「死ぬことが時にメリットになる」ゲームはなかなか無いですし、味方をわざと犠牲にするプレイングは初心者にはハードルが高いかと思います。
そこで分かりやすく「死んだらピンチ」ではなく「死んだらチャンス」と思えるようなシステムを作ろうと、試行錯誤を繰り返しました。
▼死んだらチャンス! 
バトル中に味方の強化や必殺技に使えるリソースとしてVOLTAGE(ボルテージ)というのがあるのですが、これを死ねば死ぬほど溜まりやすくして、残った仲間が頑張れるようにしています。このような基礎システムでしたので、一般的な「ゲージを溜めて使う必殺技」よりも先に「撃ったら死んでしまう決死必殺」の方が実は先に作られたシステムだったりします。
必殺技の扱いは、かなり色々試していまして…、
「使ったらHPが1になる」だったり「死んでしまう」であったり、やりすぎなのではないか…という声もスタッフから挙がってきたりもしましたが、「死ぬことをリスクとしない」という土台があり、シナリオ的にも刀を心臓に突き立てて変身するなど、マッチした所もありましたので、開発中、必殺技が何もなく撃てていた時期は一度もなく、思い切ったシステムにできたと思います。
シナリオに負けない、ぶっ飛んだバトルシステムになったと思っていますので、SRPGに慣れている方も慣れていない方も、新鮮な気持ちで楽しんでいただければ幸いです。もしバトルを難しいと感じましたら、ぜひとも命を投げ捨ててみてください…!
最後に、制作に携わった弊社メンバーの声をいくつかご紹介します。
<バトルプランナー①>
本作はシナリオで個性的なキャラクターが活躍しますが、バトルも負けないよう各キャラクターの魅力が出せるよう制作させていただきました。どのキャラクターも活躍できる場面があるので試行錯誤を楽しんでいただけますと幸いです。(その中でも『銀崎』は個人的にイチ押しなので、ぜひ注目して遊んでいただけると嬉しいです!笑)
<バトルプランナー②>
バトル中にキャラクター達が発するセリフ(敵撃破や決死必殺技など)は、「このキャラだったら戦闘中にこういうセリフを言うだろう!」をイメージして作成しています。
例えば、『雫原』が強敵を撃破した際に「もう壊れちゃったの?」というセリフを言いますが、こちらは「雫原のSっぷりを短い時間内で伝えるには?」と複数のパターンを考え、その中から選んだものになります。
また、『澄野』が決死必殺技(命と引き換えに放つ必殺技)を使用する際は、「命をかけるっ!」とセリフを発し、その後は倒れてしまうので「ごめん、後は頼む…」と託すようなセリフをワンセットで作成しています。命を懸けて必殺技を放つ、という状況も、キャラクターによってその瞬間に放つ感情は大きく異なるので、各キャラ拘ったポイントです。
<キャラモデリング>
プレイヤーが動かすモデルを制作していますが、見えない部分や、細かい部分も実は作ってあったりして、小松崎さんのデザインを可能な限り再現しよう!と頑張って制作しました。
全キャラバトルモデルは、髪の毛がわざと逆立ち気味で作成していますので、立ち絵の雰囲気とまた違う形になっているかと思います。また、バトル中でしか見られないのですが、全員違う形のマントを装備しています。こちらはバトル時に全体を見た際、キャラ毎に特徴が出る形になっていますが、腕をおろした時の元の印象を崩さないよう、バトル中の見栄えを考えて形を調整していたりと‥‥形状もこだわって制作しているので、各キャラでどんなデザインなのかをぜひ見ていただけると嬉しいです。
▼雫原/飴宮/澄野/厄師寺の後ろ姿 
<モーション>
本作では戦闘がシミュレーションということもあり、全体が見渡せるようなゲーム画面でキャラクター達はあまり大きく表示されません。そのため、戦闘が地味に見えないようにキャラクター達は大きめに動かしています。個性的なキャラクターが映えるように、ポーズも意識して作成しました。キャラクターに負けないくらい、武器も特徴的ですし、出撃の際、空から飛んできて登場というのも斬新でかっこいい演出なので、ぜひ注目してください…!
本作にて開発を担当したメディア・ビジョン、ディレクターの岡と申します。
本記事では、開発の裏話を交えながら本作のSRPG部分についてお話しできたらと思います。
今作はADV+SRPGというお話をいただき、「シンプルだけど奥深い」「爽快感」というテーマもありましたので、SRPGをやったことない人でも気軽に遊べるよう、なるべくライトな触り心地になるように意識しました。
例えば、倒せるかどうかが分かりやすいようにHPの桁数を減らしたり、「防御力」は無しにして与えられるダメージを直感的にしたり、基本「全員範囲攻撃」になっていますので、範囲内に敵を沢山収まるようにして攻撃するとばったばったと気持ちよく倒せるようなゲーム性にしました。

育成や下準備の面では「キャラクターのレベルを無くす」「消耗品を無くす」など、シナリオを読み進めて行く中で、いざバトルパートに入った時に「今どういう状態だったかな?」「この子のレベル上げ足りないかな?」という事が無いよう、管理が必要な要素をシンプルにして「スキルを覚える」など、戦闘の幅が広がる様な育成に注力できるようになっています。
また、SRPGを難しくしてしまう要素として、味方が死んでしまうと、どんどんジリ貧になってしまい、「このままでは勝てない」と悟ってやり直してしまうなど味方の死に対してネガティブに考えてしまう事もあると思います。
SRPGのベースとなる将棋やチェスなどのボードゲームでは、味方を犠牲に勝利を掴むことも多々あるかと思うのですが、一般的なRPGでは「死ぬことが時にメリットになる」ゲームはなかなか無いですし、味方をわざと犠牲にするプレイングは初心者にはハードルが高いかと思います。
そこで分かりやすく「死んだらピンチ」ではなく「死んだらチャンス」と思えるようなシステムを作ろうと、試行錯誤を繰り返しました。

バトル中に味方の強化や必殺技に使えるリソースとしてVOLTAGE(ボルテージ)というのがあるのですが、これを死ねば死ぬほど溜まりやすくして、残った仲間が頑張れるようにしています。このような基礎システムでしたので、一般的な「ゲージを溜めて使う必殺技」よりも先に「撃ったら死んでしまう決死必殺」の方が実は先に作られたシステムだったりします。
必殺技の扱いは、かなり色々試していまして…、
「使ったらHPが1になる」だったり「死んでしまう」であったり、やりすぎなのではないか…という声もスタッフから挙がってきたりもしましたが、「死ぬことをリスクとしない」という土台があり、シナリオ的にも刀を心臓に突き立てて変身するなど、マッチした所もありましたので、開発中、必殺技が何もなく撃てていた時期は一度もなく、思い切ったシステムにできたと思います。
シナリオに負けない、ぶっ飛んだバトルシステムになったと思っていますので、SRPGに慣れている方も慣れていない方も、新鮮な気持ちで楽しんでいただければ幸いです。もしバトルを難しいと感じましたら、ぜひとも命を投げ捨ててみてください…!
最後に、制作に携わった弊社メンバーの声をいくつかご紹介します。
<バトルプランナー①>
本作はシナリオで個性的なキャラクターが活躍しますが、バトルも負けないよう各キャラクターの魅力が出せるよう制作させていただきました。どのキャラクターも活躍できる場面があるので試行錯誤を楽しんでいただけますと幸いです。(その中でも『銀崎』は個人的にイチ押しなので、ぜひ注目して遊んでいただけると嬉しいです!笑)
<バトルプランナー②>
バトル中にキャラクター達が発するセリフ(敵撃破や決死必殺技など)は、「このキャラだったら戦闘中にこういうセリフを言うだろう!」をイメージして作成しています。
例えば、『雫原』が強敵を撃破した際に「もう壊れちゃったの?」というセリフを言いますが、こちらは「雫原のSっぷりを短い時間内で伝えるには?」と複数のパターンを考え、その中から選んだものになります。
また、『澄野』が決死必殺技(命と引き換えに放つ必殺技)を使用する際は、「命をかけるっ!」とセリフを発し、その後は倒れてしまうので「ごめん、後は頼む…」と託すようなセリフをワンセットで作成しています。命を懸けて必殺技を放つ、という状況も、キャラクターによってその瞬間に放つ感情は大きく異なるので、各キャラ拘ったポイントです。
<キャラモデリング>
プレイヤーが動かすモデルを制作していますが、見えない部分や、細かい部分も実は作ってあったりして、小松崎さんのデザインを可能な限り再現しよう!と頑張って制作しました。
全キャラバトルモデルは、髪の毛がわざと逆立ち気味で作成していますので、立ち絵の雰囲気とまた違う形になっているかと思います。また、バトル中でしか見られないのですが、全員違う形のマントを装備しています。こちらはバトル時に全体を見た際、キャラ毎に特徴が出る形になっていますが、腕をおろした時の元の印象を崩さないよう、バトル中の見栄えを考えて形を調整していたりと‥‥形状もこだわって制作しているので、各キャラでどんなデザインなのかをぜひ見ていただけると嬉しいです。

<モーション>
本作では戦闘がシミュレーションということもあり、全体が見渡せるようなゲーム画面でキャラクター達はあまり大きく表示されません。そのため、戦闘が地味に見えないようにキャラクター達は大きめに動かしています。個性的なキャラクターが映えるように、ポーズも意識して作成しました。キャラクターに負けないくらい、武器も特徴的ですし、出撃の際、空から飛んできて登場というのも斬新でかっこいい演出なので、ぜひ注目してください…!